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ギルドハウス取得SS 7

「イオン! 屋敷ではファイアボルトは禁止だ!」

先行した二人を追いつつ、イオンに向かって厳しく言う。石造りのおかげか、幸い延焼する様子はなさそうだ。玄関をくぐると、ギラフがマラカスを手に二人を出迎えた。

「深追いするな! メレシア!」

大声で呼ぶと、エントランスの奥の扉からメレシアが現れた。

「逃がしたよ。なかなか素早い」

「お前らなぁ、これから俺たちが使う屋敷なんだぞ、やたらめったら壊すなよ……」

思えば最初にあった時から、破壊に関しちゃこのギルドはぴか一だもんなぁ……

ため息交じりに、フィリスから預かった見取り図を引っ張りだす。

「り敢えず状況の確認を……」

言いながら、ふと目線を上げると、吹き抜けから見下ろすように佇む影。影はラナウェイの視線に気づくと、一目散に奥へと逃げようとする。

「待て!!」

そして先ほど仲間に放った警告も忘れて、その陰に向けて矢を穿つ。

ひゅっと空気を切る音がして、奥で花瓶か何かが割れる音がした。

「上か!」

間髪いれず、メレシアの銃撃とイオンのファイアボルトが炸裂する。

轟音、炸裂音、そして硝煙。

薄闇と煙で視界が悪い中、急にシャンデリアが落ちてくる。

「あぶねぇ!」

叫びながら、ギラフを抱えて飛び退く、メレシアが螺旋階段に飛びついた。

「逃がすか!」

イオンもそれに続くが、瞬間、メキメキと音を立てて螺旋階段が倒れ始めた。

「う、うわ」

そのままエントランス中央に横たわるシャンデリアへと倒れ込む階段。埃が舞い、先ほどギラフがお洒落と称したエントランスは、さながら戦場跡へと姿を変える。

「くっそ、なんてこった……」

二階では先ほどの焔がまだくすぶっている。

「メレシア、イオン、大丈夫か?」

「ああ、プロテクションがあるからな」

倒れた螺旋階段の隙間から、メレシアとイオンがはい出てくる。

「ラナウェイ、幽霊相手にこういう戦い方でいいのかなぁ?」

ギラフが今更ながら、少し考えれば当たり前のことを呟いた。

| TRPG | 13:06 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ギルドハウス取得SS 6?

「ここか………」

ラナウェイ達四人は、一軒の屋敷の門の手前に並んで立ち、夕闇に不気味に佇むそれを見上げた。石造りの二階建てで、玄関から先はおそらく吹き抜けだ。

「なるほどぉ、なかなか、あれだね。中々だね」

ギラフがマラカスをかさかさ言わせながらつぶやく。

「夜になる前に済ませてしまおう」

言いながらメレシアが門に手を掛けた。同時に反対の手で、門を止めている錠前を打ち抜く。

しじまに金属音が響き渡り、ラナウェイは首を竦めた。

「おいおいメレシア……なんだってお前はすぐに扉とかを打ち抜くんだよ。なんか恨みでもあるのか?」

「いやぁ、まどろっこしいのは苦手でね」

そう言いながら、まっすぐ玄関へと向かい歩んでいく。

「幽霊退治はアコライトの仕事だ」

「まっかせとけー」

頼もしげに言う背中に、ギラフが続く。

「彼ら、アンデットベイン習得してないよな?」

「ああ……ん? あの部屋、さっきまで明かりが灯ってなかったか?」

イオンの問いかけに答えた瞬間、玄関の左側の部屋から明かりが消えた。いや、そもそも明かりが灯っていること自体おかしいのか……ラナウェイが思いを巡らせていると、となりからぶつぶつつぶやく声が聞こえてくる。

嫌な予感がして振り向くと、イオンが詠唱に入っている!!

「まっ……!!」

待てと言う暇もなく、その両手から火の玉が放たれ、先ほどまでほのかに明かりが灯っていた先へと飛び込んだ。

「馬鹿野郎!」

ラナウェイの叫びもむなしく、火の玉が部屋の中で爆発する。

同時に、メレシアが玄関のドアを蹴破る鈍い音がした。

「行くぞ! ギラフ!」

「おうよ!」

颯爽と乗り込むエセアコライト二名

「あぁ……」

騒乱の始まりに、ラナウェイの悲しげなため息が重なった。

| TRPG | 12:54 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ギルドハウス取得5

「なるほど、ギルドハウスですか……」

押し掛けてきた四人を見て、フィリス嬢は難しい顔をした。

「だ、だめですか?」

弱気なラナウェイ。その背中を、強気に行けとばかりに押す他の面々。ギラフの提案とは、ギルドハウスを取得してそこにみんなで住もうというものだった。

ラナウェイといいイオンといい、住所不定者の多いラックハウンズには、確かに魅力的な提案だった。

「いや、駄目ではないのですが、最近妖魔の事件が多発し、冒険者が増えていて、空きがあまりなくて。一軒だけ、条件に合う場所があるにはあるのですが……」

「あ、そこ、そこでいいです。ていうか寝泊まり出来れば基本的にはどこでもいいです!」

意気込むラナウェイ

「おい、条件をしっかり確認しないか!」

メレシアが突っ込む。

「築10年以内で庭付きの一戸建てがいいなぁ」

「それは無理だろう。フィリス嬢の話を聞いてなかったか? しかし、本を置くスペースがあればありがたいな」

クレアの寝床確保の目的のはずが、好き勝手な条件を話し合うギラフとイオン。嗜めようとラナウェイが口を開きかけたところ、

「あ、その条件は全てクリアできてると思うんですけど」

歯切れ悪く、フィリスが呟く。

「え? だったらぜんぜん良いじゃないですか、そこ、そこにして下さい」

「……………」

不気味な沈黙でフィリスがもったいぶる。

「なんだなんだ、お化けでもでるのか?」

メレシアが先を促した途端……

「あー!! な、なんで言うんですか! ていうか、なんで分かったんですか?」

「かわいい」

フィリスの嘆きに、ギラフがぼそっと呟く。

そのギラフをイオンとメレシアが後ろに遠ざつつ、

「しかし幽霊屋敷とは、ベタな展開になったな」

「ふむ。まぁお化けなら倒せばいいことだ」

などと冷静(?)な分析をする。

そしてその二人の発言に、フィリスの顔がみるみる明るくなっていく。

「あ、あ、じゃあ決定でいいですかね? 近隣住民からの苦情も結構きていたので、お化け退治して下さるなら、この優良物件を特別に、ラックハウンズさんにお譲りしますよ!!」

| TRPG | 19:20 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ギルドハウス取得まで4

「まぁ、とりあえず、戦利品の売却と山分け、済ませちまうか? な?」

気まずい空気を取りつくろうように提案する。冒険者通りを南下しつつ、幾つかの商店を回っていく。

一つの店に六人で入るのも手狭なので、運に恵まれたギラフと、知識の豊富なイオン、それと脅し役にメレシアの三人が販売役だ。

その間の間が持たない。適材適所とは言うが、何故俺がこんなことに、喧嘩の仲裁なんて、柄じゃないぞ!!

とくに、一度いじけるとクレアは面倒くさい。ヴァレッタは機嫌こそ悪いが会話に支障はないが、クレアは完全にだんまりだ。

(……困ったな)

「ラナウェイ、一応めぼしい品々の売却は終わったぞ」

最後の店で交渉をしていたイオンが出てきて報告する。神殿からの報酬と合わせ、振り分けをしている連中から外れて、ラナウェイはクレアに近づいた。

「おい、いい加減に機嫌直せよクレア。言いたかないが、さっきのはお前が悪いぞ」

もちろん無視だ。長い付き合いだが、こうなったらクレアは梃子でも動かない。

「そんな糞がきほっとけ、ラナウェイ。んなことより、この後どうすんだ? なんもねーなら帰るぞ」

振り分け金を二袋放り投げて、ヴァレッタが言う。

「おい、クレア。細かいことは言わねぇが、金も入ったんだ。今日はちっとはまともなところに泊まれよ。メレシア一人に前衛任せるわけにはいかねぇんだ。てめぇの体調くらいちゃんと管理しろ」

その言葉が終るかどうかのうちに、クレアが動いた。あっという間に、五人の間をすり抜け、刀を五回振るう。もちろんかすりもしないようにだが。

「………!!」

「俺は別に万全だ。てめぇの心配してろ。素人どもが」

そして、誰も声を発しないうちに、吐き捨てるように言うと、そのまま歩き去ってしまった。

「っち、糞ガキが」

ヴァレッタが毒づく。

「気分悪い。なんもねぇなら私も帰るぜ?」

そしてそのまま、クレアとは反対の方向に歩み去る。

残った四人は顔を見合わせた。

「さすが元殺し屋。人間相手の方が、調子がいいんじゃないか? クレアは」

「んーでもさぁ、やっぱり万全じゃないんじゃない? もっと早かった気もするな俺は」

イオンの分析に、緊迫とは程遠いのほほんとした調子でギラフが答える。

「あまり良い状況とは言えないな、ラナウェイ。どうするのだ?」

難しい顔をして、メレシアが言う。

「ま、とりあえずほっとけ。クレアもヴァレッタも、そのうち頭冷やすだろ」

頭をポリポリと掻きながら応じる。どちらにしても、誰かに言われてどうこうという二人でもない。

「それよりも、クレアが今まで使っていた寝床を使わない方が問題だ。こうなった以上、あいつは意地でも神殿や安宿を使わないぞ。冷静に見えてそういうところは馬鹿なんだ。あいつは」

「そーだねぇ。強がってるけど、俺もクレアは万全とは言い難い状態だと思うなぁ。肉体的にも精神的にも」

ラナウェイの心配にギラフが応じる。そういえば、ギラフも犯罪組織出身。そういうところの勘は他の連中より働くのだろう。

「ふむ。つまり、それ以外の寝床を提供してやればいい話だろう? それなら事は簡単じゃないか」

イオンがいい、本をパタンと閉じた。

| TRPG | 19:23 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ギルドハウス取得その3


翌朝、昼の約束に間に合うように、ラナウェイたち四人は早めに依頼所の受付を訪れた。
「すみませーん、ギルドサポートの申請をしたいんですけど」
「はいはーい、ではこちらの用紙に必要事項を記入してくださいねー。それと、現在受けられるサポートはこちらになりまーす」
にこっと笑いながらテキパキと働くフェリスに、こんな子がうちにもいればなぁと遠い目をするラナウェイ。
「どれどれ、援助金…値引き……目利き………!! なんということだ、すばらしいじゃないか!」
背の高いメレシアが横から一覧表をかっさらい歓声を上げる。横から覗き込むイオンの目も大きく見開かれている。
「みせて! みせて!」
言いながら飛び跳ねるギラフ。
「みなさーん。他の冒険者様の邪魔になりますので、話し合いは別のところでお願いしますねー」
フィリスに冷たい声で言われ、ラナウェイは慌てて三人を引き連れ依頼所を後にした。がやがやする中央通りを、広場に向けて進んでいく。
「しかしたくさんあって選びきれないなぁ……」
一覧表を奪い返し、ざっと目を通しながらつぶやく。
「目利き! 目利き良いじゃん!」
それをジャンプで奪い取って目を通しながら、ギラフが言った。
「んー。しかしMP補助も捨てがたい。難しい所だな」
そうこうしてるうちに、集合場所の中央広場に着く。がやがやと人が多いが、クレアの赤髪はすぐに見つかるだろう。
「言い争いをしてるな……」
エルダナーンの長身と視力で、いち早く二人を見つけたイオンが言う。
「集まってそうそう言い争いかよ……」
肩を落とすラナウェイ。近づくと、周りをはばからない怒号が響いた。
「だから、なんで昨日野宿なんかしたんだって聞いてんだよ! あんだけの戦闘した後で、体が安まらねぇだろうが!」
「関係ねぇだろうが、うるせぇな……」
ヴァレッタが般若のような顔で問い詰め、クレアはバツが悪そうにそっぽを向いている。
「どーしたどーしたー喧嘩はやめなよー」
緊迫した空気に、マラカスを鳴らしながら割って入るギラフ。
「そうだぞ。それにクレア、我々は命運を共にするギルドの仲間だ。関係ないことなどない」
そのギラフを片手で押えて、メレシアが諭すように言った。
「まぁまぁ、落ち着けって、クレアにはクレアの考えがあんだよな? な?」
「引っ込んでろ糸目野郎! 私はこいつが、昨日私んちの前まで来て置いて、引き返しやがったってのが引っかかってんだ!」
調停しようとするする仲間をロッドで制しながら、ヴァレッタが迫る。
「なんでだ! クレア!」
静まり返る一行。視線は赤鬼と呼ばれた男に注がれている。
「…………この刀、呪われているなら、慎重になるに越したことはないと思っただけだ。ギルドの連中はともかく、ばあちゃんやバルトさんに迷惑はかけたくない」
ぼそぼそと言う。
「………っち」
小さく舌打ちして、ヴァレッタがそっぽを向き、その頬をベガがチロチロと嘗める。
「クレア……そういうことは一人で抱えずに、皆に言え。我々は仲間だ」
メレシアが静かに言った。

| TRPG | 23:09 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |

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